「蒸米をほぐす手、麹に触れる指、発酵樽からかすかに聞こえる生命活動の音を聞く耳、産まれたての新酒を利く舌。その全ての作業に誇りと愛情を感じながらお酒を醸している」と語る、十三代目当主の林田伝兵衛さん。その言葉には、初代の酒そのものへの純粋な思いと少しも変わらぬ響きがあります。
そして、もうひとつの「若竹屋は先祖より受け継ぎし商いにあらず、子孫より預かりしものなり」という家訓には、300年にわたり同じ土地で商いを続けているからには、周囲の自然環境や技術、地域とのつながりは総て、次の世代のために「自然な、正しい姿」であらねばならないという哲学があります。
そのことは、若竹屋の酒造りのみならず、代を譲りながらも、紅乙女、巨峰ワインと次々と創造酒を生み出し、いずれも田主丸の自然や農業と共生してきた系譜にも現れています。