名物は創造するもの。それは田主丸の伝統です。 巨峰を田主丸にもたらした越智先生を中心とした九州理農研究所に土地や資金を提供し、陰で支え続けていたのは、若竹屋十二代目当主の林田博行さんでした。 巨峰の苗を最初に植え付けた五人のうちの一人だった博行さんは、売れ残ったら自分が買い取るからと言い、躊躇していた人々の背中を押しました。
インができるかもしれない」。酒造りに長年生きてきた林田さんの勘でした。 さっそく久留米農芸高校の協力で研究にとりかかりましたが、業界では生食用の葡萄からはワインはつくれないというのが通説で、10年が過ぎました。 ちょうどその頃、大阪で醸造工学を研究していた長男の正典さん(現十三代目当主林田伝兵衛さん)が田主丸へと帰ってきます。今までの研究成果を分析してすぐにヨーロッパへと飛び、各地のワイン工場を回って「酵母菌」の大切さに気づき、フランスボルドーの工場に頼み込んで極上の酵母菌を分けてもらい、帰国して試作にとりかかりました。博行さんが思い立って13年後のことです。
葡萄の王様といわれた巨峰を手作業で搾り、極上の酵母菌で自然発酵させた贅沢なワインは三年の眠りの末に、昭和50年に2万本が世に出され幻のワインとして注文が殺到しました。 ほんのりとした緋色の赤、白とともに馥郁とした甘さがあり、日本生まれの葡萄のワインらしく、和食にあいます。フランスであるワイナリーのオーナーが田主丸を訪れ、巨峰ワインを口にして言いました。 「フランスにワインの勉強に来る多くの日本人は、真似することはできても、新しいものをつくり出すことはできません。巨峰ワインはまさに、日本がつくりだしたオリジナルのワインです」と。 ヨーロッパで、その土地の風土と土壌にあったいい葡萄が育つところにいいワインがあるように、それは「巨峰誕生の地」田主丸にも与えられた最高の賛辞だったのです。
巨峰ワイン 福岡県久留米市田主丸町益生田246-1 TEL 0943-72-2382 Fax:0943-72-2483 巨峰ワインのホームページ
営業時間 売店/9:00〜17:00 レストランカフェ・ホイリゲ/ 11:00〜16:00 試飲・地下貯蔵庫見学無料 定休日 売店は12/31〜1/3のみ ホイリゲは毎週火曜日定休(火曜祝日の場合翌日)と12/29日〜1/4