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 戦争で流通が統制されていた砂糖がようやく手に入るようになった昭和22年、菓子の卸業を営んでいた故藤田久一さんは、何か新しい田主丸名物を作りたいと考えていました。そこで出た案が「かっぱ萬寿(まんじゅう)」。まるで河童のように川に潜って鯉をつかまえる「鯉とりまあしゃん」こと故上村政雄さんにヒント得て発案しました。
 「誰が河童なんて口にしましょうか」と反対にも遭いましたが、昭和27年に店を構えて売り出すと、行列ができるほどの大ヒット。黄味あんを皮で包み、表面にニッケをまぶして焼き上げたまんじゅうは、改良を重ねながら現在に至っています。(1個85円、各種詰め合わせあり)

 「河童は人を引く」ということから、「かっぱ萬寿」は、お嫁さんをもらいに行くときや、選挙や開店のときなど縁起担ぎの引き出物として喜ばれました。多くの著名人にも愛され、当時田主丸にたびたび足を運んでいた作家火野葦平さんは、粋な画文を残してくれています。
 現在は、久一さんの妻ノシヨさんを筆頭に4歳のひ孫まで4世代が店を見守っています。86歳のノシヨさんは、製造、販売はもちろん、車を運転して配達までこなす「看板娘」。「特に心がけているのは、お店や工場を清潔に保つこと。ひ孫にお菓子を安心して食べさせることができるように、添加物を極力使わないこと」と言います。


 久一さんの長男琢春さんは、東京の有名洋菓子店で6年間修行したのち店に戻り、磨いた腕を振るっています。中でも、赤ワインで煮詰めたりんごと生クリームをくるんだロールケーキは評判が高く、1カット120円、1本720円という値段に驚きます。3代目の洋之さんは京都などで和菓子を学び、一家で和と洋の逸品に魂を込めています。


かっぱ萬寿本舗
住所/久留米市田主丸町田主丸589-5
TEL/0943-72-2333
営業時間/8:30〜19:00
店休日/第2、4火曜


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